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相続した実家を売るには?さいたま市の不動産売却で必要な書類と手続き

相続した実家を売るには?さいたま市の不動産売却で必要な書類と手続き

相続したさいたま市の実家を売りたいと考えていても、何から手をつければよいのか、どんな書類をそろえればよいのか分からず、手が止まっている方は少なくありません。結論からお伝えすると、相続した実家の売却を完了させるには「相続登記(名義変更)」が欠かせません。亡くなった方の名義から買主へ直接名義を移すことはできず、買主への所有権移転登記の前提として相続登記が必要になるためです。

もとやま不動産にも「査定より先に何を準備すべきか」というご相談をいただくことがあります。戸籍の収集だけで1か月以上かかることもあり、順番を誤ると売り出し時期がずれ込みます。

この記事では、相続発生から引き渡しまでの流れ、必要な書類、費用と税金の抑え方、さいたま市で売却を進める際の実務ポイントを順に解説します。

目次

1.     相続した実家を売却する全体フローと標準的な売却期間

            o   1-1. 相続発生から物件引き渡しまでの基本ステップ

            o   1-2. 売却完了までにかかる期間の目安とスケジュール

2.     相続実家の売却手続きに必要な書類一覧と準備方法

            o   2-1. 売却の前提となる「相続登記(名義変更)」の必要書類

            o   2-2. 不動産会社への査定依頼・媒介契約時に必要な書類

            o   2-3. 売買契約時および決済・引き渡し時に買い手へ提出する書類

3.     さいたま市で相続実家を売る際にかかる費用と税金

            o   3-1. 売却時に発生する主な諸経費と仲介手数料

            o   3-2. 売却益にかかる譲渡所得税の基本構造

            o   3-3. 税負担を大きく軽減できる「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」

4.     住宅ローン残高や共有名義が存在する場合の解決策

            o   4-1. 被相続人の住宅ローンが残っている場合の対応手順

            o   4-2. 相続人が複数いる共有名義物件をスムーズに売却する方法

5.     さいたま市の地域特性を活かして相続実家を高く・早く売るコツ

            o   5-1. さいたま市内のエリア別需要を踏まえた売り出し戦略

            o   5-2. 相続不動産の取引実績が豊富な地元不動産会社の選び方

6.     まとめ:必要書類を早めに準備してさいたま市での実家売却を進めよう

1. 相続した実家を売却する全体フローと標準的な売却期間

相続した実家の売却は、「相続人と遺産分割を確定する」「名義を変える」「売る」の3段階で進みます。通常の売却に比べて最初の2段階が加わるため、そのぶん期間に余裕を持った計画が欠かせません。

まず手元にそろえておくと、その後の手続きが進めやすくなる書類は次の5つです。

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 実家を購入したときの売買契約書
  • 相続人の本人確認書類
1-1. 相続発生から物件引き渡しまでの基本ステップ

売却までの流れは次のとおりです。

  1. 遺言書の有無を確認し、相続人を確定する
  2. 相続人全員で遺産分割協議を行い、実家を誰が相続するか決める
  3. 法務局で相続登記を申請し、名義を相続人へ変更する
  4. 不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結ぶ
  5. 売り出し・内覧対応を経て、買主と売買契約を締結する
  6. 残代金の決済と同時に所有権を移転し、物件を引き渡す
  7. 翌年に確定申告を行う(売却益が出た場合や特例を使う場合)

査定や売却相談は相続登記の前でも進められます。価格の目安が分かれば「売って現金で分けるか」を判断しやすくなるため、当社では登記手続きと並行して売却準備を進めることをおすすめしています。

なお、2024年4月から相続登記は義務化されました。相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。2024年4月より前の相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。

出典:相続登記の義務化|法務省

1-2. 売却完了までにかかる期間の目安とスケジュール

相続関係や売却条件によって大きく異なりますが、相続手続きから売却完了まで半年以上を要するケースもあります。各段階の期間は次が一つの目安です。

段階 期間の目安 主な作業
相続人確定・遺産分割 1〜3か月 戸籍収集、遺産分割協議書の作成
相続登記 2週間〜1か月 法務局への申請、登記完了
査定・売り出し 3〜6か月 媒介契約、広告、内覧対応
契約〜引き渡し 1〜2か月 売買契約、決済、引き渡し

相続人が遠方に住んでいるなどの事情があると、遺産分割にさらに時間がかかります。税金の特例には売却期限があるため、逆算した計画が大切です。

✓ポイント:相続した実家の売却では、買主への所有権移転登記の前提として相続登記が必要になります。査定や売却相談は登記前から進められるので、価格の目安を把握したうえで遺産分割と登記を並行して進めると、売り出しまでの時間を短縮できます。

2. 相続実家の売却手続きに必要な書類一覧と準備方法

必要な書類は「相続登記」「査定・媒介契約」「売買契約・決済」の3つの場面で異なります。場面ごとに分けて把握しておくと、二度手間を防げます。

2-1. 売却の前提となる「相続登記(名義変更)」の必要書類

※以下は遺産分割協議によって相続する一般的なケースです。遺言の有無や相続関係によって必要書類は異なります。

書類 取得先
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む) 市区町村役場
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 最後の住所地の市区町村役場
相続人全員の現在の戸籍謄本 各相続人の本籍地の市区町村役場
遺産分割協議書(相続人全員が実印を押印) 相続人で作成
遺産分割協議書に押印した相続人の印鑑証明書 各相続人の住所地の市区町村役場
不動産を取得する相続人の住民票 住所地の市区町村役場
固定資産評価証明書(または固定資産課税明細書) さいたま市の場合は市税事務所・区役所など

印鑑証明書は、登記申請人となる相続人については添付が不要となる場合があります。また、申請書に住民票コードを記載すれば、住民票の添付を省略することも可能です。

もっとも手間がかかるのは、被相続人の出生から死亡までの戸籍集めです。2024年3月からは、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できるようになりました。ただし、請求できるのは本人や配偶者、直系の親族の戸籍に限られ、兄弟姉妹の戸籍などは対象外です。

集めた戸籍は法務局で「法定相続情報一覧図」の写しにしておくと、銀行口座の解約など他の相続手続きにも使えます。

出典:登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)|法務省

2-2. 不動産会社への査定依頼・媒介契約時に必要な書類

査定の段階では、物件の状況が分かる資料があると、より精度の高い価格を算出できます。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書
  • 建築確認済証・検査済証、建物の図面
  • 土地の測量図・境界確認書
  • 購入時の売買契約書・重要事項説明書

すべてそろっていなくても査定は可能で、当社でも書類を探しながら並行して進めるケースもあります。購入時の契約書は、譲渡所得税の計算で取得費を証明する資料になるため、早めに探しておく価値があります。

2-3. 売買契約時および決済・引き渡し時に買い手へ提出する書類

売買契約から決済にかけては、売主として次の書類を準備します。

書類 備考
登記識別情報(または登記済権利証) 相続登記で発行されたものを使用
実印・印鑑証明書 印鑑証明書は発行から3か月以内のもの
本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど
住民票 登記上の住所と現住所が違う場合
固定資産税納税通知書 税額の日割り精算に使用
鍵・設備の取扱説明書など 引き渡し時に買主へ渡す

相続登記を済ませると新しい名義人あてに登記識別情報が発行され、決済日の所有権移転に使います。再発行はできないため、紛失しないよう保管してください。

✓ポイント:書類は「相続登記用」「査定用」「契約・決済用」の3つに分けて準備すると、漏れや重複を防げます。相続登記の必要書類は相続の方法によって変わるため、遺言の有無や分け方が決まった段階で、自分のケースに合った書類を確認することが大切です。

3. さいたま市で相続実家を売る際にかかる費用と税金

売却では、仲介手数料などの諸経費に加え、利益が出れば譲渡所得税がかかります。ただ、相続した実家には税負担を軽くする特例が用意されており、条件を満たせば手取り額が大きく変わります。

3-1. 売却時に発生する主な諸経費と仲介手数料

主な費用は次のとおりです。

費用 目安
仲介手数料 売買価格400万円超の場合、上限は「売買価格×3%+6万円」+消費税
印紙税 売買価格1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(2027年3月31日までに作成される契約書に軽減措置が適用される場合)
相続登記の登録免許税 原則、固定資産税評価額×0.4%(一定の土地については2027年3月31日まで免税措置あり)
抵当権抹消の登録免許税 不動産1個につき1,000円
司法書士報酬 依頼内容により異なる
測量費・解体費・残置物処分費 必要な場合のみ

なお、売買価格800万円以下の物件については、2024年7月から仲介手数料の上限を30万円(税抜)まで受け取れる特例が設けられています。郊外の古い実家などで該当することがあるため、媒介契約の前に手数料の金額を確認しておくと安心です。

3-2. 売却益にかかる譲渡所得税の基本構造

譲渡所得は「売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。相続した不動産の場合、取得費と所有期間は亡くなった方のものを引き継ぎます。

税率は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで変わります。5年超の長期譲渡所得は約20.315%、5年以下の短期譲渡所得は約39.63%です。親が長く住んでいた実家であれば、多くは長期に該当します。

注意が必要なのは、購入時の契約書が見つからず取得費が分からないケースです。この場合は売却価格の5%を取得費とみなすため、取得費を証明できるかどうかで税額が大きく変わります。

3-3. 税負担を大きく軽減できる「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」

一定の条件を満たす実家を2027年12月31日までに売った場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。主な要件は次のとおりです。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物ではないこと
  • 原則として相続開始直前に被相続人以外の居住者がいなかったこと(老人ホーム等への入居には一定の特例あり)
  • 相続時から譲渡時まで事業・貸付け・居住の用に供されていないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 家屋を売る場合は譲渡時に一定の耐震基準を満たしていること、または一定期限までに耐震改修・取壊しを行うこと

一定期限とは、2024年1月以降の売却であれば、売却した年の翌年2月15日までを指します。また、家屋や敷地を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上いる場合は、控除の上限が1人あたり2,000万円になります。

特例を使うには、さいたま市から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受け、確定申告で提出する必要があります。相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは併用できないため、どちらが有利かは事前に税理士へ確認することをおすすめします。

出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

✓ポイント:相続した実家の税金は、取得費を証明する資料と空き家特例の可否で大きく変わります。特例には「相続から3年目の年末まで」という売却期限があるため、制度を使えるかどうかを早めに確認し、逆算して売り出し時期を決めることが手取りを守る近道です。

4. 住宅ローン残高や共有名義が存在する場合の解決策

相続した実家にローンが残っていたり、相続人が複数いたりすると、売却の進め方が少し変わります。どちらも事前に対応方法を決めておけば、売却自体は問題なく進められます。

4-1. 被相続人の住宅ローンが残っている場合の対応手順

まず確認したいのが、団体信用生命保険(団信)への加入状況です。団信に加入しており、死亡保障の支払要件を満たす場合は、保険金によって住宅ローン残高が弁済されます。金融機関に連絡し、手続きを進めてください。

団信がない、または対象外だった場合、ローンは債務として相続人に引き継がれます。この場合は売却代金で残債を一括返済し、決済日に抵当権を抹消するのが一般的な流れです。

一方、団信で完済されず、住宅ローンを含む債務が相続財産を上回る可能性がある場合は、相続放棄や限定承認も含め、相続財産全体を確認したうえで早めに専門家へ相談する必要があります。相続放棄は実家やローンだけを選んで放棄できる制度ではなく、被相続人の権利や義務を一切受け継がないことになります。原則として相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があり、相続財産を処分すると単純承認とみなされる場合もあるため、売却を進める前に判断することが重要です。

出典:相続の放棄の申述|裁判所

4-2. 相続人が複数いる共有名義物件をスムーズに売却する方法

相続人が複数いる場合の分け方には、主に3つの方法があります。

方法 内容 向いているケース
換価分割 売却して、遺産分割協議で決めた割合に応じて代金を分ける 誰も住む予定がない
代償分割 1人が相続し、ほかの相続人に代償金を払う 1人が住み続けたい
共有で相続 複数人の共有名義にする 当面の結論が出ない

共有名義のまま売却する場合、売買契約や決済には共有者全員の同意と署名・押印が必要です。連絡が取りにくい相続人がいると、手続きが止まる原因になります。

売却を前提にするなら、換価の便宜上、代表者1人の名義で相続登記をして売却する方法もあります。この場合は、遺産分割協議書に換価分割であることと売却代金の分配方法を明確にし、その内容どおりに実際の代金を分配することが重要です。

✓ポイント:ローンが残っている場合は団信の支払要件と相続財産全体の状況、相続人が複数いる場合は分け方と名義の決め方が、それぞれ売却の進み具合を左右します。相続放棄の期限もあるため、相続直後に確認しておくと落ち着いて判断できます。

5. さいたま市の地域特性を活かして相続実家を高く・早く売るコツ

さいたま市は2026年8月1日現在で人口約136万人、10の区で構成される政令指定都市です。区ごとの人口規模にも差があり、エリアや物件の条件によって買い手の層が変わります。地域の需要に合った売り方を選ぶことが、価格と売却期間の両面で結果を左右します。

出典:さいたま市の人口・世帯(令和8年8月1日現在)|さいたま市

5-1. さいたま市内のエリア別需要を踏まえた売り出し戦略

査定価格に影響しやすいのは、区の名前そのものよりも、最寄り駅からの距離や物件の種類です。売り出し前に、次のような観点で実家の立ち位置を整理しておくと、価格設定や売り方を決めやすくなります。

観点 主な例 売り出しの考え方
主要駅周辺 大宮駅・浦和駅周辺など 立地を前面に出し、近隣の成約事例に沿った価格で早期売却を狙う
新しい街・再開発エリア 武蔵浦和・浦和美園周辺など 周辺の新築・築浅物件と比較されるため、価格の根拠を丁寧に示す
駅徒歩圏とバス便エリア 駅から徒歩10分圏内か、バス利用か バス便エリアは生活利便性や敷地の広さなど、駅距離以外の魅力を伝える
敷地の広い住宅地 岩槻区など 建物付き・更地・分割しての売却や、買取も含めて比較する
戸建てかマンションか 物件の種類 戸建ては土地としての評価、マンションは管理状況や築年数が重視される

築年数が古い戸建ての場合、建物付きで売るか、解体して更地で売るかで買い手の層が変わります。空き家特例の要件とも関わるため、価格査定と同時に売り方も比較しておくことが大切です。早期の現金化を優先する場合は、不動産会社による買取も選択肢に入ります。

5-2. 相続不動産の取引実績が豊富な地元不動産会社の選び方

相続した実家の売却では、物件を売る力だけでなく、相続登記や税金の論点を見据えて段取りを組めるかどうかが重要です。会社を選ぶ際は、次の点を確認すると判断しやすくなります。

  • さいたま市内での相続不動産の取引実績があるか
  • 司法書士や税理士と連携し、相続登記や税制特例について相談できる体制があるか
  • 仲介と買取の両方を提案でき、比較材料を示してくれるか
  • 査定価格の根拠を、近隣の成約事例などで具体的に説明してくれるか

査定額の高さだけで選ぶと、値下げが続いて売却期間が長引くことがあります。根拠に納得できるかを重視するほうが、手取りは安定しやすいでしょう。

✓ポイント:さいたま市の相続実家は、駅からの距離や物件の種類、建物の状態に合わせて「建物付き・更地・買取」を使い分けることで、価格と期間のバランスを取りやすくなります。登記や税金の相談先まで一緒に整えられる地元の会社を選ぶと、手続きの負担を減らせます。

6. まとめ:必要書類を早めに準備してさいたま市での実家売却を進めよう

相続した実家の売却では、買主への名義変更に先立って相続登記を済ませることが欠かせません。戸籍の収集や遺産分割協議には想像以上に時間がかかるため、売るかどうか迷っている段階でも、書類の準備だけは先に進めておくとスムーズです。

あわせて、空き家の3,000万円特別控除には売却期限があり、住宅ローンが残っている場合は相続放棄の期限も関わります。期限のある手続きを先に確認し、そこから逆算して売り出し時期を決めることが、手取りを守るうえで欠かせません。

もとやま不動産では、さいたま市で相続した実家の売却について、書類の準備や査定に加え、必要に応じて司法書士・税理士と連携し、相続登記や税制特例について相談できる体制を整えています。「何から始めればよいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。